修理できない時計
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お客様で分解された物
当店ではお客様がご自身で修理されようとして機械を分解された物は修理お断りしております。
まずは腕時計から説明します。下記は自動巻きの時計を分解している途中の写真です。
お客さまで分解された腕時計
写真のように小さなネジ、歯車などが組み合わさっています。当然ひとつでも欠けてしまえば時計は動きません。時計の修理を勉強されていない方が触るとほぼひとつ、ふたつは部品を無くされたり歯車の軸が曲がってしまったりすると思います。最初の状態が分から無いため、なぜ故障しているのか非常に分かりにくくなります。
上記理由によりばらばらの状態でお持ちいただいても修理はお断りしております。
お客さまで分解された置時計
こちらは腕時計に比べると非常に大きいため部品が無くなる心配はあまり無いですが、強力なゼンマイが入っているため分解する際に手順を間違えるとゼンマイが一気にほどけてしまい歯車が欠けてしまったり、軸が曲がったりします。またゼンマイの力が強いのでケガをされたり、最悪指が無くなります。部品はほぼ入手できませんし、欠けた歯車を直すのは非常に費用がかかるうえに軸が曲がっている可能性が高いので、組み立ててもしっかり時計としての機能を果たすか保証ができませんので修理はお断りしております。
最後にご自身で分解される時は壊れても良い時計を自己責任で分解しましょう。また、ゼンマイ式の柱時計や置時計はケガをする可能性がありますのでおすすめはしません。
ダイバーウォッチ
画像はセイコー製のダイバーウォッチです。読んで字のごとくダイビングに使うことを前提に作られている時計のことを指します。他に有名なところですとタグホイヤーなんかもダイバーウォッチをたくさん出しています。普通の時計と一番違うのは防水性能です。ダイビングをする時はボンベを背負います。当然人間は水中で呼吸できないためボンベが無くなると溺れてしまいます。つまり潜っても時計に水が入らない構造になっているのです。ちなみに良くある日常防水時計でも防水があるので潜れるのではと思いがちですが、日常防水時計では潜れません。ちょっと泳げば水が時計に入って壊れてしまいます。日常防水時計とダイバーウォッチの見分け方は防水機能の表記が違います。日常防水時計は5BRとか10気圧防水など、ダイバーウォッチは100mとか200mと書いてあります。
まずは防水時計の10気圧とかの表記ですが、こちらは大ざっぱに説明すると10気圧の勢いで一瞬水がかかっても水が入りませんってことです。決して10気圧の水圧が常時かかる状態で使用できるわけではありません。つまり水中での使用はできないと思ってください。
次にダイバーウォッチは100mまで潜れますよとか200mまで潜れますよってことです。つまりメーカーが出荷時に潜水に使用することを前提に検査して販売している物です。
なぜダイバーウォッチをダイビングで使用する物は修理できないかと言いますと、当店では100mや200mの防水検査の設備がないため防水の保証ができません。ということはダイビングで使う以上命の保証ができないので、ダイバーウォッチをダイビングで使う場合の修理はお断りしております。
ただし10気圧までの防水テストはできますので、ダイバーウォッチを使っているけど海には絶対潜らない場合は修理可能です。
ブランド品などの偽物
こちらはほぼどこの時計店でも断られると思いますが、偽物の時計です。ロレックスなどはたくさん出回っているようです。偽物と言っても様々で外観はほぼ正規品と見分けがつかない物から持っただけで分かる物などありますが、中身の機械まで精巧にコピーしている物は見たことがありません。
さらに入っている機械はとりあえず動いているのがやっとの物がほとんどです。当然値段を下げるため、機械の材質も悪くやわらかい金属を使っている場合が多いので、ネジを締めつけるとネジ山が潰れたり、ネジ自体が切れてしまったりなど分解、組み立てが不可能な物が多いです。
また、部品の入手ができないため部品交換が不可能です。
前述のように修理することを前提に作られていないため、また修理後の動作保証ができないため偽物の時計はすべてお断りしております。